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特集:RIの話 その5 - 2007年04月22日

RI.jpg

なんだかんだで、本日は鰺ヶ沢町も町長選挙。
町民のミナサマ、権利はキチンと行使しましたか?

と、いうことで…

鰺ヶ沢町町長選挙結果

有権者 10,909人 投票率 82.74%

  党派 新旧 当選
得票 得票率
長谷川兼己  無  現  4,758  53.4
井上 豊光  無  新    4,155  46.6

上記の如き結果が出たわけですが。
選挙も終わったことですし、この特集:RIの話も選挙と絡めていったん区切ろうかと思います。



今回の町長選挙の最大にして明確な争点らしい争点が、この RI すなわち低レベル放射性廃棄物(RI・研究所等廃棄物)最終処分場の誘致問題でした。このように書くと図式としては高知県東洋町における高レベル放射性廃棄物処分場誘致の件を思い起こすかもしれませんが、さにあらず。鰺ヶ沢町の場合は、賛成か反対かという対立構図ではなく…

新人・井上豊光氏が誘致反対
であったのに対して
現職・長谷川兼己氏が誘致検討段階(賛成でも反対でもない)-当選
というすこし歯車のかみ合わない展開でした。

この争点のみで投票行動が決定したというのは、少し乱暴な考え方でしょう。鰺ヶ沢町のような規模の地域では純粋な政策論よりも地縁・縁故・人的つながりの要素がすくなからず影響を及ぼすからです。しかしここでは、それを自覚した上で、あえてひとつの仮定として、RI誘致の件に町民はどう反応したのかを考えてみます。

有権者数と投票率、各候補者への投票数が公開されておりますので、ここからさらに、投票しなかった人数と、無効票の数を計算により求めることができます。

※一夜明けた東奥日報紙では無効票の数も公開されてました。計算どおりでした。

A. 当選者への投票数 4,758  
B. 次点者への投票数 4,155 A + B= 8,913 (有効投票者数)
C. 無効票(推定) 113 ≒ 10,909(有権者数)× 0.8274(投票率)-(A+B)
D. 投票棄権者数(推定) 1,883 =10,909(有権者数)-A+B+C(投票行動者数)

A=検討継続
B=絶対反対
C,D=態度不明

と考えてパーセンテージに置き換えると…

検討継続 43.62%
絶対反対 38.09%
態度不明 18.30%

円グラフにするとこんな感じで。

070422-1.jpg

さてさて、ここからいったいなにが読み取れますやら。
その際は、特集:その4で触れたような各種バイアスやヒューリスティクスに陥りませぬよう。


つまるところオレの考え
ここからは、オレ式にぶっちゃけ口調になりますがw;
最初に言っちゃうと、オレは検討継続派です。というのは、結局南極(?)現状では反対も賛成もし得るだけの判断材料がなにも提示されてないと思うのですわ。
もっとちゃんとした情報ともっとちゃんとした評価姿勢を持とうよ、ってことで。
その上でこの件の判定ポイントは2段階あると思うのね。

ひとつは、メリットとデメリット。
もうひとつは、損得を超えた部分。


メリットとデメリット
これは、この施設を受け入れることで鰺ヶ沢町がナニを得、ナニを失うのか、という非常に簡単な話なのだが。もう、この部分に関しては、格好つけずに本音でいこうよ、って思うのだナ。
ぶっちゃけ、得られるものすべて羅列せよ、って感じ。固定資産税、地元雇用、各種補助金、建設工事や搬入、維持に関する地元企業・地域へ還元されるものすべて。ただし、これを論じる際も、やはりバイアスやヒューリスティクスは不要。いい話はいらない。確実な話だけ聞きたい。
次に失うものを羅列せよ。ここは、確率とか可能性の面から論じてもらいたいところ。例えば風評被害とか放射線事故とか当然想定し得るけど、それらは必ずや起こるものではないはずなのでその可能性を科学的観点で論じてほしい。感情論とか当て推量や憶測はいらない。

これらを天秤にかけて町民各自が判断すればいい。なにしろ、これは鰺ヶ沢300年の計になるかもしれないのだから。

損得を超えた部分
これは、もしも…の話。
実際のところ、この『仕事』はどこかで誰かが請け負わなければいけないモノであるという揺るがない大前提があると思うんだよね。すでにモノはこの世に存在しているわけだし、放射性廃棄物は今の暮らしを謳歌する我々のライフスタイルが生み出す巨大な排泄物なのであって、向き合わざるを得ないのではないかと。これを否定することはその部分の思考を停止しているか、さもなくば、江戸時代くらいまでもどろうぜっていう筋金入りのナチュラリストか…なんじゃないのかなぁ。

そんな排泄物を、よ~し、わかった俺らがひきうけちゃうぜとある意味覚悟みたいなものが鰺ヶ沢町民に持てるなら、これはもうメリットやデメリットの世界ではない…のだが…。
…ん~w;
だから、最初に「もしもの話」っていったじゃん!w;

逆にいうと、この手の施設は企業誘致だと思ってはいけないんじゃないかなあ。どっちかというと思想誘致というか理念誘致というか。


とりあえずまとめ
ということで、長々とやってきた特集だが、つまるところ、落ち着く先は

1)適切な情報の開示と説明責任の履行が行政サイドに
2)合理的で冷静かつ現実的な判断が町民サイドに

それぞれ求められてるってことに他ならないという、まるで新聞社の社説にでもありがちな結論に達しただけだけど、とりあえず一区切り。

投稿者 吟 : 2007年04月22日 22:43


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