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タイヤ交換しただけで、すっかり鈍った肉体が悲鳴をあげているオレです…。 ということで、なんの脈絡もなく、またしても RI のはなし。 ふたつのヒューリスティクス 「ゴミ収集場所に群がる黒い鳥を見た。」上の文章を読んで、カラスを思い浮かべませんでしたか? でも、カラスだという確証はこの文章の中には記されてないです。ところが、なぜかカラスを想像してしまう。人間は不確かな情報から手っ取り早く結論や判断に至ろうとするときに、自分の知識や経験など、馴染み深い情報を利用してそれを構築しようとします。 もうひとつ実験。ちょっと長いけど、まずは以下の設問に挑んでみてくだされ。 「リンダは31歳の独身女性。とても聡明であり、自分の意見ははっきりと述べるタイプです。学生時代は哲学を専攻しており、社会主義や差別の問題に深い関心を持ち、また、反核運動にも参加していました。」 さて、この女性は現在、次のどちらの人物像に当てはまる可能性が高いでしょうか? どっちだと思いますかな? とても純朴に確率だけで考えれば、 A だけである確率は A かつ B である確率より高いはず。つまり、「可能性が高い」のは1)なんです。ところが人間というものは、示されている情報が詳細であるほど、論理的な確率に基づく判断から遠く離れた答えを選びたがるようなのです。 仮に、この設問が「リンダという女性がいる。彼女が銀行員である確率と、銀行員でありフェミニスト運動活動家である確率、どっちが高いか?」と聞かれていたら、たぶん圧倒的多数は前者を選ぶのではないでしょか? ちなみに、これは心理学ではリンダ問題と呼ばれる有名な話だそうです。 上記の二点はそれぞれヒューリスティクス –heuristis- と呼ばれる現象です。もともとはコンピュータサイエンスの用語で、「必ず正しい答えが導けるわけではないが、ある程度のレベルで正解に近い解を得ることが出来る方法」と定義されていますが、それが他の分野に飛び火して広まった言葉です。 黒い鳥の話は(たぶん=なにしろ自分が作った設問なので確証ないw;)利用可能性ヒューリスティクス、リンダ問題は典型的ヒューリスティクスと呼ばれます。ヒューリスティクスにはほかにもいろんなものがあるようですが、とりあえず、ここまでの話をまとめると… これを、目下のところ鰺ヶ沢町で話題になっている例のあの施設すなわちRI・研究所由来放射性廃棄物処分施設(注:特集その2で定義されたオレ用語です)に当てはめてかんがえてみると、どんなことが想定されうるでしょう。 放射性廃棄物とい言葉を自分なりの利用可能性ヒューリスティクスで思考する。 なんか、こんな路線になりがちな気がしますし、実際にこれは、自分も参加している○○会という会合(最近はもっと鰺ヶ沢のことを話そう!みたいな展開にたまになるので)でも、耳にしている連想形態なのです。どうしても原発と結びつけたがる方向性が感じられます。実際、原発関係とどう絡んでいるかは知りません。知りませんが、というか知らないが故に…誰もその場の人間が知らないにもかかわらず、原発問題と結び付けたがる傾向が見られるのです。でも、それはおそらく一般的な反応なのです。 ふたつのバイアス バイアス –bias- は斜めとか斜線とかって意味のほかに、先入観とか偏りという意味もあります。ここではもちろん後者の意味で用いますが。 これは、自分自身でも良くある話なのですがw; なにか物品を購入するときに、そのものについて調べ始めたりとかすると、その対象範囲が狭いほど、もう、これ多分買うな~状態になっていればなっている時ほど、レビュー記事の「良いところ」ばかりを重要視して「悪いところ」を軽視する傾向がでてきますw; こうなってると、もう誰かに購入相談もちかけても、結論はすでに決まってて、単に「背中おしてくれ~」状態なわけです。こんな感じで自分の立場が決定(もう買う!とか)すると、あらゆる情報を有利に解釈する現象が追認バイアスです。 これまたほかにも色々、なんとかバイアスってのはあるようなんですが、ここではもういっこだけ、別のバイアスの例をば。 予期せぬ遺産相続の話がもちあがった。ただし相続するための条件として、以下のどれかに投資しなければならい。 この場合、どの選択肢を選ぶかは、大体均等にわかれるそうです。ただし、この条件を少し変えて… 予期せぬ遺産を相続したとします。ただしその遺産はすでに国債になっています。 …だった場合には、ほぼ半数が、そのままの状態を選ぶのだそうです。これが株式であっても外国為替であっても、ほぼ半数がそのまんま。 これを現状維持バイアスといいます。人間は変化しなくてもいい(と判断できる)場合は変化を求めないのです。ただ、この「判断」がどのくらい適切なのかは、ヒューリスティクスのところで触れたとおり、やや危ういものもありますが。 これら二つをまた、本件にあてはめて考察してみましょう。 賛成のための賛成、または反対のための反対が起きてないでしょうか? あるいは、そんなもんこなくていい、一次産業と観光でなんとかなるはず、とか、逆に、どうせ、もってこられちゃうんだろ~みたいな印象とかも、ある種の現状維持バイアス?とか思えちゃう部分があるわけですよ。 オレら人間は不確かなんですよ。断言する人ほどアヤしいと思えたりw; 投稿者 吟 : 2007年04月06日 00:00 トラックバックこのエントリーのトラックバックURL: このリストは、次のエントリーを参照しています: 特集:RIの話 その3:
» 特集:RIの話 その4 from 徒然あじがさわ2 トラックバック時刻: 2007年04月13日 23:34 コメントゴルディアスの結び目だな。 投稿者 hoelon : 2007年04月07日 22:32 異動で脳がさっぱりしないので立ち寄りましたら、リニューアルと、論理的文章にぶちあたり、また一つ賢くなった気がします。近隣市住民として、興味のある問題です。 投稿者 poti : 2007年04月08日 22:52 ほえさん、 ぽちさん、 投稿者 吟 : 2007年04月08日 23:27 コメントしてください検索 |
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