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特集:RIの話 その8 - 2008年07月25日

RI.jpg本日夕刻、「鰺ヶ沢の大地と海を守る会」という会の結成大会・講演会というのがありまして。この会は「誘致反対」のグループといえるわけですが、「反対の人じゃないと入れませんか?」っていちおう聞いたら、いえ、そういうことはありませぬと答えていただきましたので、ちょっとうかがってみた次第。



ちなみに、オレの目下の立場は「もっと議論を深めるべき派」かなあ。すくなくとも絶対反対ではない。
反対するにせよ、賛成するにせよ、判断材料がもうちょっと欲しいし、もっと議論や意見交換を深めることに賛成派。

なので、まあ、今にして思えば、来往者名簿のつもりで入り口んとこで署名したんだけど、それがそのまま会員名簿になっちゃったら、どうしよう!とかいまさら…まあ、いっか。それは説明不足だよ、ってことにする、そうなったらw;

さて…どんなことだった、っていうのをオレなりに整理してみたい…あくまでもオレなりなので、事実誤認とかあるかもしれませんが…。

○会の活動開始への経緯
代表者挨拶から拾った印象はこんなかんじ

1)町長選挙の際、現・町長は町民の意見に従うと言った
2)しかしながら、先般、議会でRI処分場誘致に関する意見書が採決された(※1
3)この動きに違和感を感じた
4)このままでは、鰺ヶ沢の自然環境が汚染されてしまうという危機感

とのこと。
ちょっと、「誘致=環境汚染」っていうありきたりスキーム。
理論というか根拠の説明が省略されてる気がして消化不良的印象。

○鹿内ひろし氏の講演
鹿内さんは、青森県会議員さんです。彼の話がちょっと面白かったです。特に上記の「誘致=環境汚染」について、ひとつの明確な説明がなされていたように感じます。

いろいろな事例紹介なども交えられていましたが、つまるところ彼の主張は以下の一行に集約されるのではないか、と思います。つまりは…。

事業主体者をどこまで信じることができるかできないか

ということです。
とても簡単に言うならば、ゲームの最中にゲームのルールを変更されることがあるかないか、ということ言われたのではないかと受け止めましたが。

例えば、低レベル放射性廃棄物の定義。
これは、特集その2で指摘してますが、現在の考え方だと「高レベル以外のものが低レベル」という相対的な考え方になっています。高レベルの定義に変化があったり、あるいは、あらたな定義を追加(例えば中レベルとか超低レベルとか)することによって、意味が変わりえることを示唆します。現在、議論するにはそもそもあまりにも確固としたものがない。現状を前提として議論し結論を出しても、そのちゃぶ台がひっくりかえされる要素は十二分にある、ということを指摘しているのでしょう。

そのように運用上の安心を担保できない以上、事件事故の懸念もまた払拭できまい、ということであれば、ちょっと、なるほど、と思える部分です。

ついでに、もうひとつの特筆点。では、どうすればよいのか、という部分への言及。
処分場誘致に頼らない街づくりを目指し、鰺ヶ沢町の資源(例えば自然資源)を生かしていくのがよいだろう、という、まあ、少し漠然とではありますが、ひとつの対案が示されたことは重要ですね。

つまり、氏の講演は、以下2点において、これまで聞いた他の反対論を凌駕しているように思えます。

1)議論をし尽くすことが本当にできるのか、という指摘(運用面に関わる確約の取り付け方法の問題提起、とも換言できます)
2)誘致しなかった場合の方策の提案(枝葉の部分はさておき、理念的な部分があることが印象的)

↑これらが、会そのものから出てきたのであれば、非常に興味深かったのですが、講師から出てきたというところがすこし残念だったかもしれません(^^;) でも、「いや、同じです。そういうことを言いたいんです」っていう意味なのであれば、なるほどというところもあります。

○最後に
会場には200名くらいの町民がつめかけていました。この問題に関する関心の高さをうかがわせます。
一回目の会合としては、上々の滑り出しかもしれません。このあとどう活動を継続していくのかが非常に興味深くもありますが…。そもそも最初からスタンスを「反対」と決めてしまった以上、議論や意見交換という部分においてあまりフォローされないのではないか、という懸念もあります。

また、どうしても反対する立場の声は、情緒的というか叙情的というか、いわゆる「文系」という印象があり、しかしながら、問題の根幹でそもそも「理系」的要素の強い原子力関連議論をどう消化していくのかいけるのか、双方の異なる言語をどうかみ合わせていくべきか、というところを考慮しないと、水掛け論に終わりそうな気配も感じられます。


※1 RI処分場誘致に関する意見書 について
平成20年6月の鰺ヶ沢町定例議会で可決された…

(1)立地選定が透明・公平に実施されるよう、国が基本方針で選定手順、処分地決定、地域共生方策の考えを明らかにする
(2)誘致を検討している自治体に原子力機構が積極的に協力する

…ことを求める意見書。同年7月9日に同内容の「意見書」が文部科学省と日本原子力研究開発機構に渡された。
内容そのものは誘致を決定するものではないが、その活動趣旨が誘致促進ではないかと見れなくもない、という意味だと察せられる。

投稿者 吟 : 2008年07月25日 21:38


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